女性の顔人間の免疫細胞は約70%が腸に集中していて、アレルギーやアトピーと関係が深いことを知っていますか?

アレルギー症状が悪化するのは、腸管免疫のバランスが崩れているときです。体内に入ってくるアレルゲン(花粉やホコリなど)への過剰反応によってアレルギーが引き起こされます。

近年の研究によると、乳酸菌には免疫バランスを整えてアレルギーを抑える働きがあることがわかっていますが、どのようなメカニズムなのでしょうか?

今回は、乳酸菌とアレルギーの関係についてご紹介します。まずは、腸管免疫とアレルギーの関係から解説します。

腸管免疫とアレルギーの関係

アレルギーを引き起こす原因とは?

アレルギーとは、体にとって無害なものを敵と判断して、過敏に反応してしまうことを言います。

様々なアレルゲン(侵入してくる異物の総称)に対して、必要以上に抗体を作って攻撃し続けるため、アレルギーを引き起こしてしまうわけです。

例えば、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー発症には、リンパ球のヘルパーT細胞が関わっています。ヘルパーT細胞には「TH1」細胞と「TH2」細胞が存在しており、以下のような働きがあります。

◆ヘルパーT細胞の働き

  • TH1細胞…マクロファージの活性化、ウイルスやガン細胞などを攻撃する
  • TH2細胞…様々なアレルゲンに反応して、B細胞に抗体を作るように働きかける

免疫細胞の種類出典:ドクター牧瀬のサプリメントクリニック

TH1細胞とTH2細胞は免疫全体のバランスを保つために、お互いを牽制する関係です。TH1細胞が作る伝達物質はTH2細胞の増殖を抑えています。

しかし、なんらかの原因でTH1細胞よりもTH2細胞の働きが強い状態になると、アレルゲンへの抗体が過剰生産されて、アレルギー症状を引き起こす化学物質が放出されます。

実際に、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーを起こしやすい人は、TH1細胞に比べてTH2細胞が多いことがわかっています。

免疫反応を抑える制御性T細胞(Treg)

T細胞には、アレルゲンへの攻撃を司るヘルパーT細胞だけでなく、制御性T細胞という種類も存在します。

制御性T細胞の役割は、ヘルパーT細胞の活性を抑えて免疫の働きを制御することです。免疫細胞が暴走してアレルギー症状を引き起こさないように見張っているわけです。

未熟なT細胞から生まれる制御性T細胞ですが、成熟過程で大きな役割を果たしているのが短鎖脂肪酸の1つである「酪酸」です。

理化学研究所による研究によると、腸内細菌が作る酪酸の生産量が多いと、制御性T細胞が増えることが明らかになっています。

理化学研究所(理研、野依良治理事長)、東京大学(濱田純一総長)、慶應義塾大学先端生命科学研究所(冨田勝所長)は、腸内細菌が作る酪酸[1]が体内に取り込まれて免疫系に作用し、制御性T細胞[2]という炎症やアレルギーなどを抑える免疫細胞を増やす働きがあることを明らかにしました。

引用:理化学研究所

酪酸を生産する腸内細菌と言えば、善玉菌のビフィズス菌が有名です。腸内環境を整えて腸内のビフィズス菌が増えれば、制御性T細胞も多くなります。

制御性T細胞が十分に作られる環境であれば、アレルギーの発症を抑えられる可能性が高くなります。

乳酸菌によってアレルギー症状が緩和する

アレルギー肌乳酸菌が体内に入ると、小腸から吸収されて自然免疫のセンサーを活性化します。具体的には、TH1細胞の働きを強めてTH2細胞の活性を抑制し、免疫バランスを改善してくれます。

また、乳酸菌には腸内を酸性に傾けて悪玉菌の増殖を抑え、ビフィズス菌の働きを助ける作用があります。善玉菌が優位であれば、前述した制御性T細胞も多くなり、免疫バランスは安定しやすくなります。

このような乳酸菌やビフィズス菌による免疫システムの調整作用は、様々な研究で明らかになっています。

ツルク大学で行われた実験

フィンランドのツルク大学で行われた実験で、抗アレルギ作用のある乳酸菌を妊産婦と新生児へ投与したところ、子供のアトピー性皮膚炎発症が抑えられた研究があります。

アレルギー症状がある妊婦を2つのグループに分けて、1つのグループには抗アレルギー作用のあるLGG菌が入ったカプセルを、もう1つのグループにはLGG菌が入っていない偽のカプセルを、子供が生まれる6週間前から飲んでもらいました。

さらに、子供が生まれてから6ヶ月になるまで、子供と母親に同じものを与え、2年後のアトピー発生率を確認したところ、以下の結果になりました。

◆アトピー発生率

  • LGGを飲んだ子供…………アトピー発症率23%
  • LGGを飲まなかった子供…アトピー発症率46%

抗アレルギー作用のある乳酸菌を摂っていたグループは、摂らなかったグループに比べて、子供のアトピー発症率が半分だったことがわかります。

他には、カルピス社が発見したL-92乳酸菌も、アドピーなどのアレルギー症状を緩和する研究発表が数多くされています。

乳酸菌は、腸内を善玉菌優位の環境にして腸内環境を整えるだけではなく、TH1細胞とTH2細胞のバランスを整えて、免疫システムが正常に働くサポートもしているわけです。

免疫システムの調整作用がある乳酸菌

◆免疫システムの調整作用が注目されている乳酸菌はこちらです。

  • LGG乳酸菌
  • L-55乳酸菌
  • L-92乳酸菌
  • ビフィズス菌BB536

花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー症状を緩和したいなら、上記で紹介する乳酸菌を摂取しましょう。様々な検証データで、免疫システムの調整作用が認められています。

このとき大切なことは、乳酸菌の菌数をできるだけ多くとることです。腸管免疫を高めるためには、より多くの乳酸菌を送り込む必要があります。食ベ物で摂るなら、ある程度の量を食べる必要があります。

もし、食品から乳酸菌を摂るのが大変なら、多くの菌数を効率的に摂取できる乳酸菌サプリメントも検討してみましょう。

            

⇒ 乳酸菌サプリメントおすすめランキング