便秘で苦しむ女性食生活を改善して運動もしているのに、便秘になってしまうことがありますよね。

便秘でお腹が苦しいとき、そのままの状態でいることはしんどいもの。
便を出さずに放っておくと、腹痛などを引き起こして日常生活に悪影響を及ぼすこともあります。
そのため、どうしても便が出ないときには、緊急対策として下剤を利用することも必要です。

しかし、下剤は強制的に排便を促すもので、慢性的な便秘を解消する薬ではありません。
あまりにも下剤を頻繁に使うと、便秘が悪化してしまうこともあるんです。

そこで今回は、下剤の種類と使い方をご紹介するので、下剤の選び方や利用方法で不安がある方はチェックしてみてください。

下剤の主な4つの種類

下剤や便秘薬

下剤にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると「機械性下剤」と「刺激性下剤」の2つの種類があります。
それぞれの下剤の特徴と種類について詳しく説明します。

機械性下剤

1.塩類下剤

塩類下剤は、主成分になるマグネシウムの浸透圧を利用した下剤です。

便になる内容物の浸透圧を高めると、腸による水分の吸収が抑えられます。
その結果、便が水分を含んでやわらかくなり、排泄しやすくなります。

塩類下剤は作用が緩やかなタイプですが、お腹に優しくクセになりにくいくことがメリット。
腸を刺激するタイプではないため、長期で服用しても副作用が少ない特徴があります。

ただし、腎臓病の方は副作用が強いため、使用するのはやめましょう。

  • 主な市販薬…ミルマグLX・3Aマグネシアなど

2.膨張性下剤

膨張性下剤は、腸内で水分を含んで便を柔らかくして、便のかさを増す下剤です。
主にプランタゴ・オバタ種子などの成分が使用されます。

膨張性下剤を使うと、腸の内容物が膨張することで腸を刺激して、腸のぜん動を活発にします。
便の内容物を増やすことで押し出しやすくするのが特徴になります。

膨張性下剤を服用するときには、水分を多めにとることが大切です。

また、お腹が張って苦しいときに服用すると、お腹が張ることがあります。このような場合は、塩類下剤を利用するようにしましょう。

  • 主な市販薬…サトラックスなど

刺激性下剤

刺激性下剤

3.大腸刺激性下剤

市販されている下剤で最も多いのが大腸刺激性下剤です。
大腸粘膜を刺激して、ぜん動運動を活発にすることで排便を促します。

機械性下剤に比べると作用が強く即効性があることがメリットですが、身体への負担も強い副作用があります。

また、大黄(ダイオウ)・センナ・アロエなど生薬の成分に含まれるアントラキノン系を常用すると、腸が刺激に慣れてしまい自然な便意を感じられなくなるデメリットもあります。

大腸刺激性下剤は副作用も強く腹痛などの症状を引き起こすこともあるため、緊急のときに短期で使用するようにしましょう。
初めは少ない量で服用することがおすすめです。

  • アントラキノン系成分…大黄(ダイオウ)、センナ、アロエなど
  • 主な市販薬…コーラック、スルーラックS

4.浣腸剤・坐薬

浣腸剤(グリセリン)や坐薬(新レシカルボン坐剤)は、肛門から挿入して直腸を刺激するタイプの下剤です。

浣腸剤の特徴は、直腸に直接刺激を与えて腸管のぜん動運動を活発にして、排便を促進させること。
また、坐薬は直腸で炭酸ガスを発生させることで、腸の働きを促すタイプが一般的です。

浣腸剤・坐薬は便が直腸まで下りてきているのに、自力で排便できないときに使うのが効果的です。
ただし、浣腸剤や坐薬を使い過ぎると、便意を感じなくなってしまう恐れがあるので、常用するのは注意が必要です。

  • 主な市販薬…グリセリン浣腸剤、新レシカルボン坐剤

腸に負担をかけない正しい下剤の使い方

便秘のお腹

利用する下剤の特徴を把握して正しく使うと、効果的に便秘を解消することができます。
しかし、市販されている刺激性下剤をやみくもに使うと、強い副作用を招いて便秘を悪化させる場合があります。

では、どのように利用するのがいいのでしょうか。
腸にできるだけ負担をかけない利用の仕方を見ていきましょう。

1.作用が弱い機械性下剤から試す

まず下剤を使うなら、作用が緩やかな機械性下剤から利用するのがおすすめです。

塩類下剤や膨張性下剤は、便に水分を含ませて柔らかくするタイプです。
腸に働きかけて刺激を与えるわけではないため、副作用や負担が少ないメリットがあります。

もし、1週間ほど機械性下剤服用してスムーズに排便できるようになったら、薬の量を少しずつ減らしてましょう。
同時に、乳酸菌などの善玉菌を増やす食品を摂って、腸内環境を整えることも大切です。

2.効果がなければ大腸刺激性下剤を使う

1週間ほど機械性下剤を利用しても効果がない場合は、より強い作用がある刺激性下剤を使います。
刺激性下剤は、腸のぜん動運動が弱い「弛緩性便秘」に有効です。

一方、ストレスが原因で便秘になっている「けいれん性便秘」の場合は、服用をやめましょう。
というのも、けいれん性便秘は腸の働きが強すぎるために起きる便秘だからです。

◆けいれん性便秘の主な症状
  • 真面目でくよくよしやすい性格
  • 仕事や人間関係でストレスを抱えている
  • 食後にお腹が痛くなることがある
  • 便が細かったり、コロコロしていることが多い
  • 便秘と下痢を繰り返している
  • 排便しても残便感がある
  • 不規則な生活が続いている

腸を刺激する大腸刺激性下剤を使うと、腹痛がひどくなって便秘の症状が悪化する場合もあります。
けいれん性便秘の症状に当てはまるなら、大腸刺激性下剤は使わないようにしましょう。

3.直腸性便秘には浣腸剤・座薬

もし、直腸性便秘の症状に当てはまるなら、浣腸剤や座薬を利用するのがおすすめです。

便意があるのに我慢したり、忙しくてトイレを後回しにしていると、脳が便意を感じづらくなります。
このため、便が直腸まで下りてきているのに便意が感じられなくなるのが直腸性便秘です。

大腸の画像直腸性便秘の場合、直腸まで便が下りてきている状態なので、結腸に刺激を与えるよりも直腸を刺激する方が効果的です。

◆直腸性便秘の主な症状
  • 便意があるのにトイレを我慢することがよくある
  • 忙しくて自分のタイミングでトイレに行けない
  • 痔があるため、排便を我慢してしまう
  • トイレでいきんでも出そうにない

もし、このような症状に当てはまるなら、グリセリン浣腸剤や新レシカルボン坐剤を利用するのがおすすめです。

腸が黒くなる?下剤の乱用による副作用について

診察

下剤乱用で便秘が悪化する

下剤の扱いで注意が必要なのは、腸を刺激して排便を促す大腸刺激性下剤です。
というのも、毎日のように常用していると、刺激性下剤を利用しないと自然に排便できなくなり、下剤乱用便秘を引き起こしてしまうからです。

排便に関係する腸の働きには、便を運搬する「ぜん動運動」や便意を起こす「直腸反射」などがあります。
そして、便が直腸に届くと、脳に信号が送られて便意として感じるしくみになっています。

しかし、アントラキノン系成分を含む刺激性下剤は無理やり腸を動かすため、排便するための腸の働きを乱してしまいます。
刺激性下剤に頼りきりになり、排便のための腸の働きが衰えてしまうのです。

また、刺激性下剤を重度に乱用していると、ナトリウムやカリウムの不足して、むくみ・筋力低下・血圧の低下・不整脈などの症状を引き起こすこともあります。

長期に及ぶ常用で腸が黒くなる

さらに、刺激性下剤の乱用が長期に及ぶと、大腸の粘膜細胞が影響を受けて色素沈着が起こり、腸の壁に黒いシミが発生することがあります。
これが大腸メラノーシス(大腸黒皮症)です。

大腸メラノーシス
刺激性下剤を長期服用した患者からは大腸腫瘍(腺腫,癌)が増加する(Siegers CP.Gut 1993;34(8):1099-101) との海外報告、週に2回以上下剤を内服する群では内服しない群に比して大腸癌のリスクが2.75倍になることが東北大学の大規模前向きコホート 研究 (European Journal of Cancer 2004 Constipation, laxative use and risk of colorectal cancer: The Miyagi Cohort Study.)報告があります。

引用:久里浜医療センター

左図がセンナを長期間、毎日服用した女性の大腸の様子です。
驚くほど黒くなっていますよね。そして、右図がセンナを減量して2年後、改善している様子です。

また、大腸メラノーシスは大腸ガンとの関連も疑われています。
東北大学による大規模調査によれば、「週に2回以上下剤を内服する人は、内服しない人に比べて大腸ガンのリスクが2.75倍になる」と報告されています。

大腸メラノーシスと大腸ガンの因果関係は、はっきりと解明されたわけではありませんが、大腸メラノーシスを起こした腸の様子をみると、健康的な状態ではないことがわかると思います。

漢方や便秘茶にも要注意!

便秘茶

漢方であれば、副作用が少なく効き目がゆるやかな印象があるかもしれません。
しかし、センナや大黄などのアントラキノン系成分が含まれているなら、大腸を刺激してぜんどう運動させる刺激性下剤になります。

当然長期的に常用していると、自然に排便することが困難になり、大腸メラノーシスが生じる恐れがあります。
これはセンナや大黄が含まれている便秘茶も同じです。

アントラキノン系などの下剤は長期的に服用するものではなく、急性便秘に適した便秘薬です。
欧米では実際に、センナや大黄は慢性便秘の適応外になっています。

漢方や便秘茶を試すときには、配合されている成分をしっかり確認することが大切です。
センナや大黄などの成分が少ないものから試して、効果がなければ作用が強いものに変えていくことがおすすめです。くれぐれも常用しないように注意しましょう。

            

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